平成23年 分院長あいさつ


「 新年明けましておめでとうございます。」

昨年三月十一日の東日本大震災、それに続く福島原発事故と、未曾有の大災害が発生して、行方不明者も含めて二万人近い尊い命が奪われ、数多くの被災者、故郷を追われた方々が、未だに厳しい生活を余儀なくさせられている中、新年を寿ぐことに躊躇を覚えますが、一陽来復、今年は平穏な年であって欲しいとの願いを込めて、改めて新年の挨拶を申し上げます。 新年明けましておめでとうございます、皆様におかれましては、今年も健康に過ごせられ良き年となりますように。
 昨年は大震災を筆頭に、集中豪雨、台風、熱暑、海外に目を転じれば、タイの洪水、都市部や工業地帯の浸水など、自然が猛威を振るった年でした。年を経るごとに気候の荒々しさが目立ってくるような印象を抱かされます。二酸化炭素排出などの気候温暖化現象が背景にあるようですが、その気候温暖化対策の国際会議が昨年暮れに開催されましたが、二酸化炭素排出に関して関係国の利害が衝突、かえって目標が後退してしまい、有効な対策が打ち出されませんでした。このまま気候温暖化が進行していけば、一体どうなるのかと大変心配になります。原発事故は炉心融溶(メルトダウン)まで至る最大級の事故になり、水素 爆発で建屋が吹き飛ばされて、放射能汚染が広範囲に拡がってしまいました。国と電力会社は核の平和利用、安全神話を謳い、巨額を投じて原発推進に躍起となり原発大国を目指してきました。高度経済成長は原発があってのお陰だとの話しもよく聞かされました。しかし、事故後の新聞、テレビなどのメディアからの報道で分かったことは、絶対安全などはまさに絵空事、砂上楼閣で、今回の大事故に繋がる芽はいくつもあったということです。初期の原発施設は構造上安全管理の上で問題があったこと、福島原発は運転後三十年以上も経ち廃炉にしてもいいくらいなものであったこと(原発の耐用年数は三十〜四十年とされています)、運転停止の勧告を抑え、経済効率優先で運転を続行したこと、これまでも幾つかの事故があったが十分な安全対策がなされなかったこと、などなどです。当初は想定外の大地震、大津波に原発事故の原因を負わせようとする雰囲気がありましたが、決して天災だけでなく、むしろ人災の部分が多かったのではと思えてなりません。これだけの原発事故を起こした当事国であるならば、当然為政者は脱原発に舵をきるべきですが、ベトナムなど他国に原発輸出を計画していることなどとても理解できる話しではありません。今回の大震災では、大自然の猛威の前には人間の営みはなんと儚いことかと思い知らされると同時に、人間の勁さも併せて感じさせられました。肉親を奪われ、家を失くした人たちが他の被災者の世話をしている姿や、つらさを押し殺して黙々と片付け、復旧作業に従事している姿、或いは漁業再開を目指して淡々と仕事をしている姿には頭が下がります。一日も早く被災者の方々に安心、安定した暮らしが取り戻せますように祈らずにはいられません。
 さて、小海分院は新病院が開院してから六年半が経ちました。地域に密着した病院を目指してきましたが、患者さんの数も多くなり、地域の方々が気軽に利用して頂けるような病院になってきました。今後とも患者さんや地域の方々のニーズを汲み取り、南部地域の医療福祉の中核病院としての役割を果たしていきたいと思います。本院の再構築計画は順調に進行して、昨年暮れに佐久医療センターの起工式が行われ、いよいよ本格的に建設工事が開始されます、約二年間の工事期間を経て、二〇一三年秋頃に竣工し診療が開始される予定です。南部の住民の皆さんには佐久医療センターが遠くなることに不安を感じている方が少なくないようですが、小海分院としては今後さらに診療体制の充実を図っていき、不安感を少しでも解消できるように努力していく所存です。新たな年を迎え、職員一同、今年も気持ちを引き締め頑張っていきますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 

平成24年1月1日 
JA長野厚生連佐久総合病院小海分院
 分院長 山田 繁   


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